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2008年 10月 01日
不安が形象して秋になる。 何もかも光薄く透き通る。 蝉が落ち、栗が落ち、草花が朽ちる。 山の生き物が朽ちてゆく。 毎年のことながら、 定めながら。 現場へ向かう県道沿いを毎日、 紙袋を下げて往復している半袖半ズボンの老人がいる。 首を傾げ、ひとりごとを呟きながら、 黄金色に染まった稲田の景色の中を歩いている。 どこへゆくのだろう。 そしてどこへ帰るのだろう。 その老人も長ズボンになった。 小雨降る中、傘も差さずに、 身を傾けて、急ぎ足で歩いてゆく。 修羅のように、菩薩のように。
by hinosukima
| 2008-10-01 21:05
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